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[スプラ] おしまいの型

『レジデント初期研修資料 医療とコミュニケーションについて』に「おしまいの型」という話がある。スプラトゥーンについてもそういうのがあるのではないかとふと思った。 「勝敗に至るには色々なパターンがあるけれど、自分が得意な型に盤面を押し込めてしまえば勝つ。そういうカードをとにかく先鋭化させるのが上級プレイヤーの道である」という主張だ。『レジデント〜』でのこの「おしまいの型」は、病院での謝罪の使い方という、なんというか、表現のかっこよさの割に「(・3・)アルェー」っていう例なんだけど。 A-あたりで伸び悩んだ頃が、プレイとしてはある意味一番辛かったのを今でも覚えている (つっても1ヶ月〜2ヶ月前という近い過去の出来事なんだけど)。何をすればよいか分からないから暗中模索して色々とやる。勝てることもあるし負けることもあるのだけど、とにかく「なんで平均的に負け続けるか」が分からない。 おそらく多くのケースでは、同じく型がない味方とセットで、「おしまいの型」に近づける方法がわかっていないから負けていた。味方に非があることも頻繁にあって、長らく「負け続ける」理由というのは見つけづらかったのだけど、もしそういうときに自分の型を強引に押し付けられていたのなら、多分その……あんまり有能じゃない味方も型にあわせてくれた。 例えば、ビーコン設置タイプのプレイだと、多分、要は良い場所にビーコンを置いてその周囲を起点に味方が動きやすい構造に出来れば、それを活用する味方の稼働率に連動して勝率が上がる。ロラコラは前線での戦闘能力だけでなく、この型を作るのが直観的で簡単 (ビーコンと塗りの相性が良い) なので強いのだと、今では思い始めている。まぁ前線の攻撃力の方が要素としてはずっとでかい気はするんだけど。 当時の自分のように、状況に応じた立ち回りの組み合わせを先に獲得しようとすると、むしろ遠回りになる気がする。 そうではなくて「おしまいの型」すなわち「勝ちパターン」を見出すために定型化された後半、中盤、そして前半を構築するように考える方が、結果として対応しなければならない相手の行動パターンが限定されて、結果として自分なりの確立した「立ち回り」の哲学に繋がるんじゃないだろーか。 自分はブキ種を色々試すのが酷く辛いタイプで延々とシューターを使っているけれども、シューターの中でも

『「数独」を数学する』

原題 "Taking Sudoku Seriously" 数独パズルを何度か解いていると、次のような疑問を持つ。 何問あるのか。似た問題はないのか 数独の「難問」とはどういうものか 最小いくつのヒントがあれば一意に解ける数独盤が出来上がるのか てか、数独を数学的にモデル化するとどういう雰囲気なのか 本書は概ねこういった問に対して答えていると思う (ただし「難問」のくだりは純粋に数学・科学の問題ではないということもあるので、少し歯切れが悪い)。本著の主目的は最後の「数学的にモデル化」で、これに興味が無いと辛い部分が少し多いかもしれない。 あっても辛い。 数独盤には実質的に同じ盤があるのは自然に想像が付く。その変換方法が一定の数に収まること、そこに群論(「群理論」て書いてあったが)の群を見い出せ、「 バーンサイドの補題 」みたいな群論のツールを使って実質的に異なる盤がXXX個あると証明できる……といった流れが本著のアプローチ。特に一読者として不満を持つところはなかった。深みに入らず期待通りの程度感で数学的説明が少し出るばかりだけだし。「四色問題」と同じくコンピュータに頼る部分もあるらしい。 自分は数学クラスタではないので、本書の「数学の密度」で数学好きが納得するかまでは分からない。少なくとも証明が書かれている本ではないので、その時点で数学の教科書ではない。『フェルマーの最終定理』のような数学に関連する読本、みたいな雰囲気。 まぁ本当に数学の深部に興味が有るのなら、そういう人は群論そのものを分かってるだろうし論文も読めるだろうから、さっさと現論文あたるような気もする…… 本書は周辺トピックも含めて比較的広く扱っているので面白いのだけど、その分数独の数学を眺めたいという欲求を満たすにはやや大部。で、その割にそれぞれの(特に数学の)説明はおおまかなので、本書それ自体を他人におすすめ出来るかまではよく分からなかった。 数独好きの知り合いにおすすめしようかなぁと思ったんだけど、数学に興味が無いと逆に数独自体への興味を失いそうな話題ではある、ような……考え過ぎかしら

[スプラ] 強さ雑感

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以下は前提として「最近スプラボからデュアルスイーパーに鞍替えしつつあるA+〜Sランの雑談」程度として受け取ってほしい。他の武器種や同格の人からは多分別の意見も多く出ると思う。言い換えると、シューター偏重の考え方であるし、S+になれるほど上手くもない、ということだ。 イベント で戦ったところ、例えばB+〜A-といったランクの人とでも撃ち合えば負けるという状況を多く経験した。結果として、Sであってもk:d比率が低く出るということは少なくなかった。 ただ、個別の戦術というか動き方に付いて言うならば、ややSランクらしい判断というのは、少しは身についているんだろうとは思う。 上記イベント中「ヤベェ」と言われた操作について、言及されたということもあるので、解説をしてみる。 https://youtu.be/ZAxzc2wkh6M?t=3m18s # ここから20秒程度の間で、壁を登っているチャージャーを速攻で倒した件で言われた。それ以外は総じて冴えないプレイという気はする…… 確認もしてないのに壁を登ってきているチャージャーを殺しつつ降下している。これはどーいう判断なのか、という。 まず個人的に言うと、シューターが「壁を塗りながら落ちる」は、自陣が相手に侵されている時には常套手段だ、というのが一つ。 だって相手の導線をかなり低コストで切れるんで。 特にこの場合、この操作をしている前の段階で、既に相手は味方側の高台にいたわけだから、壁が塗られているのは明らかだ。 ちなみに似たような操作は他の動画でも要所要所でやっていて、例えば これ も似た理屈に依っている。やっていないときは、忘れているか、塗る必要性がない (手前が自色なので、そもそもすぐ登れねーだろ、みたいな) と判断してたりするか、単にポカやってるか、とかだ。このへんは、機械的に処理できるほど上手くない。 一つ目の動画のリッター3k瞬殺にはもうひとつだけ判断材料がある。リッター3kは確かに下に降りたはずなのだけど、降りた先は味方色で多少塗られているように高台から見える点に注意したい。 つまり、自分の側から見る限り、3kは多分壁下から壁領域以外にこの速度では逃げられないはず……なのだ。 というわけで壁塗りをしないと逆に、九死に一生を得たリッターに後ろから撃たれる可能性

WiiU持ち寄ってスプラトゥーンする会

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http://twipla.jp/events/160511 これは……! 8人揃うのすげーなと。実際にはもう一人プレイヤーはいたので、実質9人。ただ、 一人 は原稿執筆をしに早々に山に引きこもった。 8人揃うと話が弾む、というのは良いこと。出来る人は他の場所でも是非やってみてはいかが(無茶 ただ、やる場合には今後はやや工夫が必要という気はした。箇条書きにすると、 全員WiFiだと頻繁に接続が切れる。 ネットワーク側の品質にも影響を受けると思う。 一部プレイヤーだけでも有線にすれば改善するかも。 当初心配した「8人同一LAN内にいたらゲーム出来ないんじゃ」という事態にはならなかった。無駄にすげぇ Padからの入力が時折効かなくなる。 謎のダンスをするプレイヤーがたまに発生する。 「本気」な練習会をする場合には、対策がないかちょっと考えたほうが良い 混線というよりはblutoothの通信がどっかでブチブチ途切れてるんじゃないか、という意見の方が説得力があったと思う スピーカーだと音が被る。 負けてるのに勝った時の音楽が聞こえる。 カナル型イヤホンを使っていたのだけど、周りとの会話もあるので、開放型のヘッドホンを用意しとけばよかったと思った。 ついでに借りたディスプレイからのヘッドホン出力の音が良くなかったので、アンプもあったほうが良かった、かも?よく分からず。 ちなみにゲームPad経由の音声はブチブチ音が切れたので、微妙。 隣の人が別チームだとブキが見える。 4人竹筒じゃねーか。 チーム構成をランダムにしている場合にはある程度しかたない。 今回はガチの練習というよりは概ね気軽に色々試す感じになっていたので、この構成で問題はなかった パッと見たときほどには順調にプレイ出来ない 休憩やネットワーク断でのWiiU再起動みたいなことをそれなりに何度もすることになる。8人いるんだから当然とかんがえるべき。 撮るのを忘れていたことが結構多くて一部だけアップロードできた。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLdUXbxHT5yN_M8DlkePiXbJ2tF_Flmvxr ハイライトは 竹筒 。一名竹筒を用意してな

[スプラ] S+強いぞぐぬぬ

万年S枠になりつつある。 昨日某S+と延々敵対させられて、目の前にいても相手S+ローラーで打ち負けそして大敗へみたいな展開が続いてた。最後一戦勝ったんだけど、1勝5敗みたいなノリで大いにウデマエが下がってしまった。確か30超くらいである。 A時代のA+は「お、勝てるな?」と思うことも結構あり、結果A+に上がれたんだけど、S時代(今)のS+は少しやったくらいではそうはならない、というくらいに差がある。すげーつえーぞなんだあれ。 ちょうどなんというか、A-くらいのときにA+見た感じの技量差がある。 S+プレイヤーについてはプレイ動画が多数上がっているので、その中で少し見ていると、多分なのだけど、まず単純にエイミングというか狙いのうまさについて、自分のほうが割りと大差で劣っている。当初から懸念してた「FPSガチ勢がそっちのノリでノリノリしてくるとどうしようもない」感がひしひし。まぁスプラ、TPSなんだけど。あとジャイロなんだけど。 エイミングについてはぶっちゃけ練習量と、あと「若さ」みたいな指標というのはあるので諦めるしかない面がある気がしている。画面の周辺にぽこっと出来た凹凸で「あ」と思って回りこんで殺、が出来るホッカスはマジ怖い。 それは仕方ないと諦めるとして、状況判断という面で、自分にSらしくない弱さがあるというのも事実ではあって、そっちをなんとか吸収しようということであたふたする状況になってる。冷静に対応してると、案外S+でも怖くないということはあって、大抵は慌てて軽度レミングスになって負けることのほうが多い気がする。まれに仕事しないのが二人いたりすると、もちろん本当にどうしようもないのだけど、Aくらいまでいつもあったそういう状況がSだと頻度としては少ないので、負けるとどこかで自分のプレイミスを指摘できることが多い。これは試合としてはまともで、自分がまともなプレイヤーでないことを意味する。 エイミングで大差に負けているため、S界隈でも大人気のスプラボだと徹底的に勝てない感が強く出てきた。そのため、試しにデュアルスイーパーカスタムとしている。 何を諦めたかって、前線でホッカスやノヴァやロラコラとやりあうのを諦めたのだった。主に地図の要所にビーコン立てて、周囲を塗り、メガホンで遠目に「牽制」をかけるという、Sらしからぬスーパー消極運用で

ガチホコ

負けてる時、特に事故的に押し込まれて速攻で負けるとき、反省してると大体共通項がある気がした。 決定打となる取り合いに自分が参加してないか、味方と同時に死んでしまう 相手にガチホコが回っている時にガチホコ進路上以外、あろうことか相手側陣地を塗っている 相手のガチホコ経路がガラ空きなことに気づいていない 概して地図見てない 味方全体が弱い (致命的) とかいったところが問題になる。 振り返って考えれば当たり前なミスなのだけど。 味方3人が同時にガチホコ取り合いでやられているときとかがあって、このときには自分が進路を1秒でも妨害出来るかが勝敗の分かれ目になる。相手が4人でこちらが1人でも、ガチホコ所有者をピンポイントで倒せれば、5秒くらいは停止させられる。またガチホコ所有者の目の前をしつこく塗り続けるのも有効で、射程の長いシューター系ブキは単にバラバラとインクをばらまくだけで状況を改善できることがある。 味方が大勢同時にやられて少人数もしくは自分一人しかいない、そういう危機的な状況で、相手陣地に1人塗りに入ってたりしていることがある。地図を見るタイミングを逸して塗りがものすごく順調に進む錯覚に陥る。何故かってガチホコが自陣に向かってるから相手が向かってこないのだ。「ピピーッ」-5点確定。 ガチエリヤやガチヤグラと比べると、ガチホコは「事故死」に見える事象がたしかにあるのだけど、自分が事故死を誘発してないかは考える必要がある。数字が突然減少することに気づかない上対応もおくれがちになるせいか、ガチヤグラやガチエリアよりも露骨にそれが発生しやすい。 もちろん味方が論外の動きをするということも多々あって、それはガチホコ自体への慣れと、ウデマエでそのうち安定してくる気がする。とはいえ最低でも1人判断ミスで一時的にそうなってしまっている、みたいな状況であってほしいのだけど。 ガチホコで、味方の力不足以外での「事故死」を防ぐ方法を自分なりに考えてみる。 相手がガチホコを持った瞬間、まず自陣側にジャンプすることをルールとして自分に強制してみる。これが良い手であることは殆ど無いのだけど、ガチホコの感覚をつかむ上で一時的にであれやってみるのはありで、勝率はわからないけれども事故死のショックからは少し縁遠くなる。 ガチ

DDRがまたやってくれた

もう基本的にDDRやれてないんですが一部の譜面だけは観測していて、お茶の間で野球を評論する昭和のお父さんの雰囲気になってます。 で、知人で今でもDDRやってる派閥から今アツい譜面というのを共有してもらいました。普段だと見てそれでおしまいというところ、久しぶりに共有したくなりました。 【DDR 2014】EGOISM 440 [DOUBLE CHALLENGE] 譜面確認+クラップ ……本気か ネタ譜面と疑いたくなるところです。しかし関連動画にDDR DPer日本トップレベルの人が比較的ボッコボコになってる動画がありました。まぎれもなく正規譜面 (ただしフルボッコ譜面はミラーオプション付き)。 マジか…… SPも見ると、これはこれで時代が一歩進んだ感じはします。 【DDR 2014】EGOISM 440 [SINGLE CHALLENGE] 譜面確認+クラップ ただこちらは、クリアできない立場で申し訳ないながら……ありそうな進化という感じ。 DPはそれなりに見ていた記憶の中でも「(゚Д゚)ハァ?」度が高い。Revolutionより高い気がしますが本当にまともにクリア出来る人が出てくるんでしょうか。 不安 期待です。 おまけ: DDRプレイヤーだった方においては、以下の譜面もどうぞ。 Stepmania - Over The "Period" (DSP and ESP) FULL CHART!!! EGOISM 440と比べると簡単そう、なんて思うわけですが…… こちら の通り。 難易度はDIFFICULTのLv15。これだけ見れば以前に比べて簡単と思えるが、ENCORE EXTRA STAGEのテロップの上に「ATTACK PERFECT FULL COMBO!!」と表示され、GREAT以下の判定を出すと即閉店となる。 これはこれで、お茶の間観戦してるだけでも「ふざけんな」って気分になれます

MacBook Proを修理に出した

数週間前の時点で音が出なくなっていることに気づいた。いつもスピーカをオフにしているから気付かなかった。 イカデンワ を使おうとした時にいよいよ不便になり、ジーニアスバーを予約し、運良く翌日に予約を取れた。 自分でハードウェア診断をしたところ、スピーカ不良という報告はなかったのだがACアダプタが不調という報告。充電はできているが、どうも基盤レベルでおかしいのではないかとは感じていた。 実際にジーニアスバーに行って調べてもらっても同じだったので、工場に送るかなんかしてもらう。火曜日に持ち込んで見積もりでは「一週間」、実際には3日で対応してもらった。 案の定、基盤交換だったようだ。PRAMリセットの影響で一部の設定 (ログイン時のキーボード配列がデフォルトに戻ってたり、Caps LockがCtrlじゃなくなってたり)が飛ぶが、それ以外は暗号化されてるストレージ含めて概ね問題ない。音も出るようになった。 そういや起動時の「ジャーン」の音が鳴らなくなってたんだな……。 このMacBook Proは去年12月に買ったものだ。保証期間内なのでその点で料金が発生するわけではない。初期不良という時期でもないので故障という意味では少しめずらしいのかもしれない。 保証の範囲内とはいえ、一晩中CPUに負荷がかかる類の処理等をしていたりすることが一時期そこそこあった。コンポーネントの品質については知らないが、ノートPCというのは排熱が得意なもんではないと思う。ノートPCクーラーを手に入れたので、以後はそういうものを積極的に使っていくことにした方が良いかもしんない。

『WORK RULES!』

Googleの人事部(ピープルオペレーション)がどう社内を見ているかがわかる本。おおいに参考になった。 人と人のつながり方が変わったせいなのか、「どう管理するか」についての発想の変化が起きている気がする。 これ とか これ を読んでも思うが、生産性の高い人に、自発的に創造的な仕事をさせることの強みが認知されて「久しい」 (され始めたなんてレベルでなく)、といったところ。この表現すら陳腐に見える辺りも、大事なところ。『 リーダーシップが滅ぶ時代 』を読んだ時の感じと非常に似ているといえば似ているが、その実体が日毎に具体的になってきている。 Googleの人事部が管理していないということはなくむしろ逆であり、データの計測や対照実験を通じて積極的に社内の人の動き方を判断している。一方、社員からみて、例えば「監視されている」だとか「束縛されている」だとかいう風に見える形には決してしない。これは自分の経験からもそのように運営され改善されていたのを体感している。 自分が知らないより最近の社内システムの改善についても概要が書かれている。「ずいぶん改善されたんだなぁ」と羨む内容でもあった。なおこの手の本では『How Google Works!』もオススメ。どっちの本でもジェフ・ディーンがネ申扱いで変わりがないという意味でも一貫している。 一方、日本の大学の実情というと、最近このような話が出回っていた。 東工大の「出張用務等確認書」に対する大学関係者の皆様の反応 この手の話題については、最近マネージメントも行う関係で思うところがある。ネット論壇等ではGoogle寄りの発想が歓迎されるのは当たり前。ただ実際のところ、管理上自分の中でも実際に自然に落ち着きそうなのは後者だという気がしている。そしてこのギャップを実践で克服するのは、個人的には結構大変だという印象だ。なぜそう思うかについては、自分の中でもまとまっていないので、ここでは書かない。

[宣伝] C88のTech Boosterの同人誌に参加してます

コミックマーケットC88 参加のお知らせ TechboosterはコミックマーケットC88に参加します。サークル配置は「 8/16 – 3日目 東地区A-39a 」です。 JavaScriptoonで地味にFIDO U2Fの話を書きました。 FIDO U2F、ネタとしてはクッソ地味なのですが、おそらくウェブサービスを扱う人が今後積極的に扱うことになるだろう技術と思ってます。ユーザ利便性的にも実装者目線でも、今後の成長幅が大きいだろうなぁ、と思った関係で書きました。前回と違って内容はすっごく軽いですが、まぁさっと読む分で価値が出ると信じてます。 FIDO U2Fは今後のウェブセキュリティ界隈でどんどん一般化してくんじゃないかと思います。ちょうど以下のようなニュースも(入稿後に)ありました。 Dropboxが物理セキュリティキーに対応。USB接続のU2Fキーで二段階認証 デバイス自体も安くなっていて、YubiKeyラインナップに頼らなくてもUSBタイプでは こういうの が普通に手に入る時代です。 FIDO U2F、実装的にはハードとサービスの間にブラウザ類のサポートが必須なため、現状だと主要ブラウザではChromeでしかまだ使えないはずです。 一方、U2Fの使い勝手自体は素晴らしく、一度使うとOTPトークン (Google Authenticator)すら若干うざったくなるかもしれません。そういう意味で、企業による採用事例から個人的なサービスへの組み込みまで、日本でも事例が増えて欲しいと期待している分野です。 とはいえ肝心の2要素目のデバイスがUSBだと、BadUSBという問題があるのはあるんですが……。 個人的には、FIDO U2Fについては現状出回っているUSBデバイス自体だけでなく、近い将来にもっと良い選択肢であふれるだろうと思っています。先日、FIDOにも絡んでるある会社の方と話した時にも新しいデバイスを見せてもらったんですが、USBタイプではなく純粋にFIDO U2Fの世界を成長させてくれそうなもので、個人的にも大層気に入りました。 実際のところプロトコル的にはハードウェアである必要すらない、はず。GoogleがGoogle Authenticatorをしれっとあちゃーするとか、ないかなぁ。 というわけで他3冊

スプラトゥーンでウデマエSになった

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スプラトゥーンのプレイ動画

https://www.youtube.com/playlist?list=PLdUXbxHT5yN_M8DlkePiXbJ2tF_Flmvxr

『すべてのUNIXで20年動くプログラムはどう書くべきか デプロイ・保守に苦しむエンジニア達へ贈る[シェルスクリプトレシピ集]』

この手の本が最近多くなってきていて自分的にはありがたい。大体著者が特定の方角にいる気がする。 「POSIX原理主義」と前半で出てくるのだけど、本著はどちらかといえば実用的な観点でのPOSIX Shellの話なんだと思う。POSIXに定義されていないが実現したい機能がある、といったときにも、ある程度断った上でPOSIX外の説明もしているし、POSIXに規定はあるが怪しいと思われる機能についてはあっても「動かなかった」みたいな説明があったりする (例えば正規表現部分やFreeBSDの特定のバージョンまでのawkの挙動など)。 LinuxだけではなくFreeBSDやAIXでの動作検証もしているということだから、全てが完全にPOSIX互換であるかは分からないものの、割とまともなPOSIX Shellの系統の本だと信じられる。そーなんですよreadlink -fってMacの実装だとうごかねーんだよ。 POSIX原理についてよりは、筆者が互換的に書かなければならなかった経験についての雑多な記事集として考えたほうがいい感じがする。日々の作業でシェルを使っていてスキルが低めである私みたいな感じの作業者的には、こういった本は必ずいくつも収穫があるので、拾い読みするだけでも意味があるだろう。

ベイビーステップ

1ヶ月ほど前だと思うが、錦織選手の成長とそれに対抗してくる上位プレイヤーについての解説番組を見た。詳細をもう忘れてしまったのだけど、要は、錦織選手の飛躍と、それに対する最上位プレイヤーの対策についての番組だったと思う。 多くのスポーツで、選手のデータを取って、その選手が味方ならどう成長・活躍させるか、相手ならどう攻略するかをデータから分析するのが、当たり前になってきている。野球ならば『マネーボール』で同じスタイルを見た。 『マネーボール』でのデータ志向の野球では、選手を数多の交換可能な独立した要素として見ている雰囲気を感じる。野球がチームスポーツでは実はないという、断定こそないもののそういう含意を読み取りたくなる作品だった。素人目に見て、主観的な野球の楽しみ方に冷水を浴びせてくるところがある。 一方、テニスの上記の番組、それに『ベイビーステップ』というマンガに基づいてテニスを眺めると、同じくデータにもとづいているにも関わらず、テニスという競技が逆にものすごく面白いものに見えてくる。データに基づくスポーツという点では同じでも、付加するものが大きく違うという印象だ。 特に個人戦テニスだと、個別の選手が如何に個人の能力を飛躍させられるかという以外にはデータの分析は使えない。プレイスタイルを変える、はあり得ても、その個人の特定の腕や足を入れ替える、という判断はない。一人のストーリーとして見た時、データ分析がある方が、テニスという個人プレーに関わるドラマがむしろ面白くなり、ひいてはテニス自体が面白いスポーツに見えてくるように思えた。テニスチームの運営、という視点なら『マネーボール』のような世界になるのかもしれない。 双方について感じられるのは、気合一辺倒というのは今後ますます現実的ではなくなっていくという世界観だ。データを収集する力そのものが勝敗を決めていく、ということなんだろう。ただ重要なのは、解析する重要性を語ること自体ではなく集められる能力そのもので、それはそれで修得するのは大変だ。ベイビーステップの主人公は物語中で目が良い、という設定があるが、書くスピードと正確さも、ものすごい。